文章と資料を結び付けて読むときは、まず筆者が最も伝えたい「主張」をつかみます。次に、表、グラフ、アンケート、観察記録などが、その主張を本当に支える「根拠」になっているかを確かめます。数字が書かれていても、主張と関係が薄い、調べた人数が少ない、条件がそろっていない、結果から原因まで言い切っている場合があります。ゲームでは、根拠データ、資料からなぜ主張が言えるかを説明する理由づけ、資料の限界を確かめる言いすぎ確認を配置します。この記事では、遊ぶ前にも使えるように、論を順番に点検する方法を学びます。
対象: 小学6年生 / 学び: 国語・読むこと・論の進め方を評価する
主張と根拠を一本の線で結ぼう
主張は、筆者が読み手に最も伝えたい考えです。根拠は、その考えがなぜ成り立つのかを支える事実、具体例、数値、資料です。たとえば「昼休みも図書室を開けるとよい」という主張に対し、「試しに開けたら利用者が18人から43人へ増えた」という資料は直接関係します。一方、「机が木でできている」という事実は本当でも、昼休みの開室を続ける理由にはなりにくい情報です。資料が正しいかだけでなく、主張を直接支えているかを見ることが大切です。また、資料と主張の間には「定員内で利用が増えたため、続ける価値がある」のような理由づけが必要です。数字を置くだけで、考えの道筋が自動的に伝わるわけではありません。
資料から言える範囲と言いすぎを見分けよう
資料には、調べた人、場所、時期、方法という範囲があります。6年生の一つの学級でよい結果が出ても、「全国の全員に必ず同じ効果がある」とは言い切れません。「必ず」「全員」「絶対」という強い表現を見つけたら、資料がそこまで広い範囲を支えられるか確認します。また、取組の後で数字が変わっても、その取組だけが原因とは限りません。同じ時期に別の授業を受けた、季節が変わった、参加者が違ったなど、ほかの説明も考えられます。これは主張を全部否定することではありません。「試す価値がある」「同じ条件でさらに調べたい」のように、資料に合う強さへ表現を整えることで、かえって論は正確で信頼しやすくなります。
人数・割合・条件を確かめて論を評価しよう
二つの結果を比べるときは、もとになる人数をそろえて見ます。「100人中82人」と「回答した55人中48人」では、82と48という人数だけを比べられません。全体の大きさが違うため、割合や未回答の人を考える必要があります。温度を比べるなら、時刻、場所、測り方をできるだけそろえます。前後を比べるなら、季節や参加者の違いがないかも確認します。資料の出所や調査日が分からない場合は、すぐに正しい・間違いと決めず、「信頼性を判断する情報が足りない」と評価します。主張をつかむ、関係する根拠を探す、資料からなぜ言えるかを理由づける、調べた範囲や別の可能性を見る、という順で読むと、論の進め方を落ち着いて点検できます。
身近な例で考えてみよう
- 家族へのお知らせを紙と配信のどちらにするか考えるとき、開封数だけでなく、対象となる全家庭数、紙について回答した家庭数、読んで内容を理解したかを分けて比べます。
- 夏と秋の飲み物容器のごみを比べるとき、給水設備の有無だけでなく、気温や行事など季節によって飲む量が変わる条件も考えます。
- 学習方法のアンケートで「好き」と答えた人が多くても、好きという気持ちとテスト結果が上がることは別の指標なので、同じだと決めつけず両方を調べます。
よくある間違いと覚え方
- 数字が書いてあれば何でも強い根拠になると思う間違いです。まず数字が主張へ直接答えているか、関係のない事実ではないかを一文で説明して確かめます。
- 前より数字がよくなったら、その直前に始めた取組だけが原因だと考える間違いです。同じ時期に変わった条件や別の理由を探し、必要なら追加調査を提案します。
- 人数の大きさが違う集団を、賛成者の人数だけで比べる間違いです。「何人中の何人か」という母数を確認し、割合や未回答者も含めて考え直します。
保護者の方へ
お子さまが広告、ニュース、学校のお知らせなどで数字を見つけたときは、すぐ正解を教えるより「何を言いたい文章かな」「その数字は主張のどこを支えているかな」「何人をいつ調べたのかな」「ほかの理由はありそうかな」と順に問いかけてください。意見が自分と同じか違うかより、資料と主張のつながりを説明できることを大切にします。ゲーム内の資料はすべて架空なので、現実の情報を調べるときは出所、日付、調査方法を実際の資料で確認し、分からない点を分からないまま示す姿勢も評価してください。
ミニ問題
問題1: 「校庭に日よけを増やす」という主張に最も直接関係する資料は何ですか?
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同じ時刻に測った日なたと日よけ下の温度の比較
日よけによって暑さがどう変わるかを支えるには、場所だけを変え、時刻や測り方をそろえた温度の比較が直接関係します。
問題2: 一つの学級で結果がよかったとき、「全国で必ず成功する」と言えますか?
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言い切れない
調べた範囲は一つの学級だけです。地域、学年、人数、方法などの条件が違う場所まで同じだと決めるには、追加の資料が必要です。
問題3: 取組の前後で結果が変わったら、その取組だけが原因だと決めてよいですか?
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ほかの原因や条件も確かめる
前後の変化は関係を考える手がかりですが、季節、参加者、別の授業なども影響します。ほかの可能性を確かめてから判断します。
ゲームで確かめてみよう
ここまでの内容を、実際に「ガチャン!論証インクプレス」を操作しながら確かめてみましょう。
